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これって変!?公共交通ネーミング

  • 執筆者の写真: うらのりょうた
    うらのりょうた
  • 1 日前
  • 読了時間: 5分





日本には東名高速など地名と地名を掛け合わせた名称がたくさんあります。


北海道には昔の国と国を分けた峠が点在し、その多くが旧国名を掛け合わせた名称となっています。天塩(てしお)と石狩で塩狩(しおかり)峠、石狩と十勝で狩勝(かりかち)峠、日高と十勝で日勝峠などです。


JRでも同じ手法が用いられておりますが、石狩と十勝で狩勝(かりかち)ではなく石勝(せきしょう)線など違いがみられます。なぜでしょう。統一していただければわかりやすいのですが。


そのほか、札幌と小樽を結ぶ札樽自動車道(さっそん。昔はさったると思っていました)、青森と函館を結ぶ青函トンネルなど。


地名を掛け合わせる場合、まず縮尺を考える必要があります。都道府県か、旧国か、市町村か。青函トンネルの場合、青森市と函館市を指しており、青森県と北海道に縮尺を合わせていれば青北トンネルとなります。青函連絡船に代わる鉄道線として計画されたため、「青函トンネル」の名称が採用されています。


そしてもう一つ大切なことが私たちの生活に馴染むかということです。つまり、語感。響きの良さ。覚えにくい、わかりにくいは避けなければなりません。例えば東名高速道路が京名(けいめい?)高速道路になっていた可能性もあります。


関東を見ると、やはり東京を中心とした名称が多く、東京と千葉で京葉あるいは東葉、東京と成田で京成、東京と横浜で京浜、東京と八王子で京王、東京と埼玉で埼京などがあり、いずれも鉄道路線の名称などに使われています。縮尺でみると、京葉と京成を並べることに違和感を感じてしまいますが、JR京葉線などに使用されている葉は千葉県ではなく千葉市を指すものと思われます。また、八王子も東京都内だから京王はおかしいだろうと思ってしまいますが、これはおそらく東京23区と八王子市を結ぶという意味。埼京だけ京が後ろに来て京埼とならないのはやはり語感によるものでしょう。


関東で好きなのが横浜市と横須賀市を組み合わせた横横です。横浜横須賀道路という道路があり、横横道路の略称で親しまれています。


同じタイプだと新潟県の新潟市と新発田市を結ぶ新新バイパスがあります。新潟県の大動脈となっており、初めて見た時は首都圏を思わせる高規格さに感動したものです。難点は渋滞が多いこと。


ややこしいのが関東と新潟県を結ぶ上越新幹線。実は新潟県上越市などがある上越地方は通らない。上越妙高駅は北陸新幹線。上越新幹線は旧国名に由来し、上野国(こうずけのくに)と越後国を結ぶことを意味します。つまり現在の群馬県と新潟県。これは騙される。


群馬県は上毛(じょうもう)、栃木県は下毛といいますが、この両方を合わせて両毛と呼ぶのは秀逸です。


三遠南信道は愛知県豊橋市を中心とする東三河地域、静岡県浜松市を中心とする遠州地域、長野県飯田市を中心とする南信州地域に由来します。


名古屋は「名(メイ)」が大好き。名神、東名、名鉄、名城、名駅、メーテレ。


三重と岐阜を結ぶ目的でつくられた三岐(さんぎ)鉄道や越前と美濃を結ぶ目的でつくられたJR越美北線がありますが、いずれも結ばれておらず、願望止まりに終わったものもあります。このように実態に伴っていない名称もあるので注意が必要です。わかりにくい。


近畿地方といえばなんといっても京阪神が代表格でしょう。京都、大阪、神戸の3都市の総称です。東京一極集中の関東よりは3都市に分散しているイメージで、実際に昼夜人口比率は京都市や神戸市でも高い傾向にあります。だからこそ京阪神と3都市を1つにまとめる必要があったのでしょう。それぞれ切り離して京阪、阪神と呼ばれることもあります。京阪でいえば京阪電車、阪神でいえば阪神電車や阪神タイガースが有名ですね。ほかにも、大阪府と奈良県で阪奈。こちらは阪奈道路が通っています。また、大阪府と和歌山県で阪和。こちらはJR阪和線や阪和自動車道が通っています。


神戸市に目を向けると神戸市と明石市で神明。なぜか第一がない第二神明道路。神戸市と姫路市で神姫。こちらは兵庫県民の足を支える神姫バスがあります。


また、京都府に目を向けると京都府と滋賀県を合わせると京滋。こちらは京滋バイパスなどが通ります。さらに、京都府と福井県を合わせると京福となり、京福電鉄などの由来となっています。


最近はなんでもありになってきています。京都と大阪と奈良でけいはんな(近鉄など)、京都と奈良と和歌山で京奈和(京奈和自動車道)なども登場してきています。


四国はJRの路線名に旧国名が使われていることが特徴。愛媛県(伊予)と香川県(讃岐)を結ぶ予讃線、高知県(土佐)と香川県を結ぶ土讃線、愛媛県と高知県を結ぶ予土(よど)線。ちなみに香川県高松市と徳島県徳島市(阿波)を結ぶのは阿讃線ではなく高徳線。瀬戸大橋を通る路線は岡山県(吉備)と香川県を結ぶから備讃線とするのではなく、ひいては本州と四国を結ぶことから本四備讃線としているのは縮尺の観点からもファインプレーですね。


JR九州でも旧国名が多くみられます。北九州市(豊前、ぶぜん)と宮崎県(日向)を結ぶ日豊(にっぽう)本線、福岡市と佐賀県(肥前)を結ぶ筑肥(ちくひ)線、大分県(豊後)と熊本県(肥後)を結ぶ豊肥(ほうひ)本線、熊本県と鹿児島県を結ぶ肥薩線。


ただし、大分と久留米市を結ぶのは久大本線。筑豊線とはなりません。筑豊本線は別にあり、福岡市・北九州市・筑豊地区(豊:ゆたか)を結ぶ区間は福北ゆたか線と呼ばれています。ゆたかときたか。


九州で好きなのが別大(べつだい)。言葉の響きはいまいち?ですが、大分県の2大都市である別府市と大分市を結ぶ別大道路は九州で最も交通量の多い区間のひとつで、別府湾を臨む景色が最高です。みなさんも気になるネーミングや好きなネーミングがあれば是非コメントで教えてください。

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自己紹介でよく聞くセリフです。
大学時代、この言葉に違和感を覚えたことを

きっかけに12年かけて日本を踏破。

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