豊橋市、豊川市、豊田市…。愛知県には「豊」がつく市町村が大変多く、全部で7つあります。偶然にしてはあまりに多すぎます。そこで、今回は愛知県に「豊」がつくまちが多い理由について調べてみました。
豊橋市
豊橋市の中心地は元々「吉田」と呼ばれていました。ところが、明治時代に入ると、たまたま伊予国(愛媛県)に同名の吉田藩があったため、改称を命じられてしまいます。改称案として吉田の旧称「今橋」、吉田城西側の地名「関屋」、豊川に架けられた橋に由来する「豊橋」を提出。結果、たまたま「豊橋」が採用されたため、「豊」が市名につくことになりました。
豊川市
豊かな川、「豊川(とよがわ)」が流れるまちです。8世紀には豊川という地名が使用されており、愛知県ではじめて「豊」がついたまちです。
豊田市
元々は挙母市(ころもし)でしたが、トヨタの企業城下町であることと、地名が読みにくいという理由で1959年に改称されました。もし、トヨタではなく、日産やホンダの企業城下町だったら違う地名になっていたかもしれません。
豊明市
1889年に誕生した豊明村。たまたま宮中の年中行事である「豊明の節会(とよあかりのせちえ)」が間近に迫っていたことが由来とされています。
豊山町
1906年に豊場村と青山村が合併し、豊山村が誕生しました。もしかしたら青場村など違う地名になっていたかもしれません。山のような豊かさという縁起の良い地名です。
豊根村
1889年に北設楽郡の5つの村が合併し、豊根村が誕生しました。由来はわかりませんが、"豊国“の根っこあたりに所在するのは偶然でしょうか。
武豊町
騎手の名前が由来…ということではもちろんなく、武雄神社がある長尾村と豊石神社がある大足村が1878年に合併して武豊村が誕生したことに由来します。神社の名前を合わせた珍しい町名です。もしかしたら大長村など違う地名になっていたかもしれません。
まとめ
このように、愛知県には「豊」がつく自治体が多くありますが、明確な理由はなく、歴史上の偶然が重なり合ったことが理由として考えられます。比較的新しくできた地名もありますが、合成地名が多くそれぞれに強い関連性は見受けられません。
無論、「豊」は縁起のいい瑞祥地名であり、全国で確認することができます。ものづくり大国である愛知県は特に豊かさを求める県民性があるのかもしれません。また、戦国武将の豊臣秀吉やトヨタ自動車の豊田一族など愛知県にまつわる人名にも「豊」が散見されます。
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