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執筆者の写真うらのりょうた

ジャンクションの本オススメ3選

更新日:2020年5月31日




ジャンクション(大山顕2007)

ジャンクションの入門書としてオススメです。見方や種類、「デートに使えるジャンクション」など驚きのモデルコースまで紹介。初めはデートを装い、どさくさにまぎれてジャンクションデートに持ち込むという驚愕の内容。「あ、ジャンクションが見えるよ」と言って食いついてきたら脈ありらしいです。


立体交差ジャンクション(大山顕2019)

読み応え抜群の論文が掲載されています。『立体交差論』の項ではジャンクション誕生の経緯が描かれています。1862年、現在の横浜市で重大な交通事故がありました。薩摩藩の行列とイギリス人らが「衝突」したのです(生麦事件)。原因は長距離移動と近距離移動という異なる交通モードが交錯したものでした。異なる交通モードを分ける役割をするのが高速道路です。一般的に目的地が遠くなるほど移動速度は速くなります。そして、速度が速いほど地表から距離が離れます。歩行者がゼロだとすると、自転車はそれより少し高く、鉄道の床面は約1㍍、飛行機は1万㍍。こうなってくると、自動車と歩行者がほぼ同じ高さで行き来することの危険さがよくわかると思います。

『先行する利用とのつばぜり合い』の項では都心を走る高速道路の魅力に迫っています。ジャンクションは東京より大阪の方が見応えがあります。大阪の方が都市としての歴史が古く、土地がくまなく利用されているためです。高速道路がゲートタワービルを貫通したり、船場センタービルの屋上を走っていたりします。東京にも似たような場所はありますが、せめぎ合いのレベルが違います。東京は水路を利用しているケースが多く、大阪にも同じ例がありますが、比較的穏やかな光景です。「日本橋に空を取り戻す」をスローガンに日本橋上空を走る首都高が問題視されています。東京はレイヤーでできています。土木の地層、ミルフィーユです。日本橋川(川の名前が橋を元にしているというのはおもしろい)が15世紀、そこにかかる日本橋が1603年、現在の日本橋は1911年にできた19代目、首都高が通ったのは1963年のこと。すでに首都高が通っている景観の方が歴史的には長いことになります。都市は時代時代でニーズに応じて進化してきたのです。「高架を撤去するにしても感謝とともに地下にお移りいただくのがスジだ」と筆者は述べています。また、「そんなに空が欲しければこれまでインフラを重ねてきた歴史を踏まえて、首都高の上にさらに橋を架ければいい」と主張しています。


高速ジャンクション&橋梁の鑑賞法(首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社ほか2019)

高速道路会社のオフィシャルとあって、基礎知識や建設の背景などが丁寧に記されています。ジャンクション初心者向け。巻頭グラビアは圧巻です。

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