みなさんは「ペデストリアンデッキ」をご存知でしょうか。聞きなれない言葉ですが、直訳すると、歩行者のための(ペデストリアン)船の甲板(デッキ)という意味です。歩道橋と広場を兼ね備えた建築物で、駅から地上に降りずに商業施設やオフィス、高層マンションにダイレクト移動できます。今回はそんなペデストリアンデッキの魅力と課題に迫ります。
good!!安全なクルマ社会
ペデストリアンデッキは「歩車分離」の精神から生まれました。人とクルマの動線を分けることで交通の安全性を確保しています。地上に降りる必要がないため、バリアフリーの役割も果たしています。
bad!!デッキ下の治安悪化
ペデストリアンデッキは交通の安全性を高めますが、治安の悪化が懸念されます。デッキ上に活気が生まれる一方、デッキ下は日光が届かず、死角も生まれてしまうためです。
good!!土地の有効活用
ペデストリアンデッキは日本特有の建築様式といわれています。狭い日本。開発余地がない駅前を有効活用するために生まれました。広場でイベントを開催したり、トイレを設置するなど公共性が高く市民の憩いの場となっているケースも多いです。
bad!!景観の悪化
実用をとる代償として、景観の悪化は避けられません。ヨーロッパでは駅の景観を維持するためにペデストリアンデッキがありません。また、ヨーロッパ以外でも日本ほど鉄道網が発達している国はないため、やはりペデストリアンデッキは日本特有の建築物といえそうです。
オススメのペデストリアンデッキ
資料写真が撮れていない場所もあります。随時アップしていきます。
仙台駅(宮城県仙台市)日本最大級の規模を誇り、司馬遼太郎も絶賛。
高崎駅(群馬県高崎市)青を基調とした直線美。
立川駅(東京都立川市)近未来感は随一。
柏駅(千葉県柏市)1973年に完成した日本初のペデストリアンデッキ。
舞浜駅(千葉県浦安市)夢の国ディズニーリゾートと直結。
梅田駅(大阪府大阪市)阪急、阪神、大丸など大阪の顔ともいえるデパート群を直結。
小倉駅(福岡県北九州市)モノレールが飛び出てくるSF感は一見の価値あり。
【参考文献】
ミツカン機関紙「水の文化」47号
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