佐渡島を市域とする佐渡市(さどし)。新潟港12時35分発の佐渡汽船フェリーに乗って佐渡島を目指します。島としては日本屈指の大きさを誇り、昭和時代には人口10万人を超えていただけあって、フェリーの規模も大きく、船内も豪華。食堂はもちろん、ゲームセンターやホールもあります。
甲板にいくと、外国人が空に向かってかっぱえびせんを投げていました。来るわ来るわウミネコの大群。甲板は外国人のパフォーマンスショーのステージと化し、多くの乗客がその光景を写真に収めていました。
15時5分。佐渡島の両津港に到着しました。レンタカー屋に行くと、「こんな時間から観光してもどこも開いてないけど大丈夫なんだね。事故を起こしたら(処理で)島から出られなくなるけど大丈夫なんだね」とおじさんに諭されます。元々、来島予定を1日前倒しし(詳細は新発田市の項を参照)、急遽当日でも借りられるレンタカーを探したこともあり、少しひるみますが、ここまでは概ね計画通り。また、返却時間の19時には営業を終了しているので、ポストにクルマのカギを返却してほしいとのことでした。
15時30分。まずは最初の目的地「トキの森公園」へ。いくつかエリアがありますが、自然に近い環境を再現した「トキふれあいプラザ」がオススメ。ガイドのおばさんに手招きされ、「今がチャンスですよ。飼育員が顔を出す時間になると巣の方へ飛んでいってしまうので」と声をかけられ、一直線に鑑賞スポットに向かうと、目の前に立派なトキが。トキまでの距離はガラス越しにわずか2㌢。思ったより大きくて毛並みが美しく、目の前で魚を獲る姿に感動しました。マジックミラーになっており、トキは人間を気にせず自然な振る舞いを見せています。
トキに見惚れていると、入り口の方からガイドの先程のおばさんの声が聞こえてきました。「今なら近くで見れるかもしれませんよ。まもなく飼育員が顔を出して…」。再び案内を始めた瞬間、トキは巣の方へ飛んでいってしまいました。巣にいる様子は2階から観察できますが、距離は離れてしまいます。「お客さん幸運でしたねぇ。他のお客さんにはこんなこととても言えませんよ」と笑顔で見送ってくれました。
続いて、「佐渡金山」へ向かいます。途中、佐渡市の中心市街地を通過。カメラのキタムラ、蔦屋、ブックオフ、ミスタードーナツ、はなまるうどん、洋服の青山、ジョーシン、ヤマダデンキ、ほっともっと、吉野家、カーディーラー、イエローハット…。なんでもあります。
16時30分、佐渡金山に到着。江戸時代に手掘りされた宗太夫抗(そうだゆうこう、所要時間30分)、明治時代から資源枯渇する平成元年まで操業していた道遊坑(どうゆうこう、所要時間40分)の2コースがあり、時間がない方は宗太夫抗がオススメ。坑内は涼しいので服装に注意です。アリの巣のような洞窟ではたくさんの人形が動いて、当時の様子を忠実に再現。「早く外に出て、酒を飲みてえ。馴染みの女にも会いてえなあ」と嘆いていました。
展示室内では本物の金塊(12.5㌔、何と9000万円相当)に触れることができ、アクリルの箱から取り出せば、記念品が贈呈されます。隣にいた夫婦と挑戦しましたが、少し上に持ち上げるのが精一杯で、取り出すのは到底不可能でした。ただ、20年で2700名ほど成功しているそうなので、是非挑戦してみてください。
最後に、佐渡島最南端の「小木地区」に向かいます。
途中、薄暮の「佐和田海水浴場」には海を眺める恋人たちや、青春を謳歌する学生たちなどエモーショナルな光景が広がっていました。
17時40分、小木地区に到着。江戸時代に北前船の寄港地として大いに栄えた場所であり、宿根木(しゅくねぎ)のまちなみはまるでタイムスリップしたかのように当時の面影を色濃く残しています。民俗学者・宮本常一が設立を進言した佐渡国小木民俗博物館には千石船を展示。入り組んだ海岸線で漁をするために考案された小回りが効く「たらい舟」は観光客でも乗ることができます。
19時30分発の船で新潟へ戻りました。
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