天然の良港として古くから発展してきた函館市(はこだてし)。明治時代に箱館から函館に改称され現在に至ります。
まちのシンボルである「函館山」から見たくびれた港町(渡島半島のくびれと勘違いする人も)と海のコントラストは美しく、函館市の象徴的な光景です。兵庫県神戸市の摩耶山、長崎県長崎市の稲佐山とともに「日本3大夜景」にも選出。展望台には函館山ロープウェイや函館山観光道路でアクセスできます。
函館山観光道路は、4月25日~10月15日の17時~22時の間、交通規制があります。逆にいえば、22時以降は無料で出入り自由。函館市は見どころが多く、あれやこれやしているうちに、時刻は22時1分に。狭い住宅街を抜けて入り口に向かうと、係員2人はクルマを制止することなく、赤いペンライトを振って誘導してくれました。春から夏にかけて霧がかかりやすく、運転に気をつけながら霧がかった険しい山道抜けると、濃霧に覆われた展望台に到着。視界が悪く不安もありましたが、駐車場にクルマが10台以上停まっていて安心。夜遅くにも関わらず、展望台は若者や家族連れで賑わっていました。「これは期待!」…と思いきや何も見えません。「めっちゃ綺麗!」「これが日本3大夜景か!」と皮肉まじりの声や「なんも見えねー」とシンプルにガッカリする声も。帰り道は実に18台ものクルマとすれ違いました。「今日は何も見えないよ」と教えてあげたい。中腹で路駐をし、霧の切れ間から夜景を楽しむクルマが何台もいました。
ベイエリア
函館港の周辺は「ベイエリア」と呼ばれる定番の観光スポットです。
ベイエリアの象徴ともいえる「金森(かねもり)赤レンガ倉庫」は渡邉熊四郎氏が明治時代に開業した洋物店事業が原点。1988年からショッピングモール、ビアホール、イベントホールなどとして活用されています。
五稜郭
全国的に珍しい星形の城「五稜郭」。開港に合わせて国防、行政の拠点として1866年に日本初の西洋式で築城されました。しかし、時はすでに幕末。ほどなくして旧幕府軍と新政府軍による戊辰戦争最後の戦い「箱館戦争」の舞台となりました。旧幕府軍は五稜郭を本拠とするも新政府軍に制圧され、新選組の中心人物である土方歳三は戦死。1869年、五稜郭はたったの3年で廃城してしまいました。現在は公園として整備され、「五稜郭タワー」からは美しい星形の城郭と木々を眺めることができます。
ちなみに、五稜郭を占拠した旧幕府軍は新政府軍の攻撃に備えて1868年に「四稜郭」を急造。建物はなく、数日で完成させたそうで、旧幕府が追い込まれていたことがうかがえます。
函館駅
道南最大のターミナルであり、函館駅にはJR函館本線、道南いさりび鉄道(隣の五稜郭駅から分岐)、函館駅前停留場には函館市電が乗り入れています。
駅前モニュメント「OYAKO」の下で四つん這いになり記念撮影をする少年たちの姿が印象的でした。
また、青函フェリーが函館ー青森間を結びます。
駅前複合商業施設「ハコビバ」には飲食店などが立ち並ぶ「函館駅前横丁」などがあります。
駅のそばには「駅二市場」があり、新鮮な魚介類などがズラリと並ぶ朝市が人気です。
1923年に現在の北海道電力が設置した「日本最古のコンクリート電柱」が立っています。今でも現代風のマンションの前でその役割を担っているのが感慨深いです。
函館市の消火栓は黄色いのが特徴です。
湯の川温泉
登別市の登別温泉、札幌市の定山渓温泉とともに北海道3大温泉郷の1つに数えられる「湯の川温泉」。最も市街地から近く、利用者向けの無料駐車場が整備されている利便性も高い温泉です。「大黒屋旅館」さんは1918年創業の最も歴史ある宿。日帰り入浴も6時から24時と長い時間やっています。入り口では社長の人形がお出迎え。少し熱めの温泉で体がシャキッとします。
トイレに行っても更衣室に行っても浴室に行っても電気が消えていて最初はビックリ。「7%の節電に協力下さい」とのこと。中川家の漫才で出てくる和食のさとで流れているようなBGMが流れ続けていました。EXILEの『Someday』など。風呂から上がると時計の針は23時20分を指していました。入浴から30分。いつもは大体15分、気合を入れて「長湯をしたなあ」と思っても20分なので「珍しいなあ」と思ったら更衣室の時計が10分早いだけでした。
函館ラーメン
札幌市の札幌ラーメン(主に味噌)、旭川市の旭川ラーメン(主に醤油)とともに北海道3大ラーメンの1つに数えられる「函館ラーメン」。主に塩ラーメンで、私は「あじさい」さんで食べさせていただきました。硬めの中太麺で、トッピングにお麩が乗っていることに驚き。透き通ったスープは上品にも関わらずコクがあり食べ応えある味付け。気づけば、生まれて初めてご当地ラーメンのスープを完飲していました。戦闘機の模型やネオンなどアメリカンを取り入れた綺麗で広々とした店内も魅力。
ラッキーピエロ
ご当地バーガー日本一の座を獲得した道南最大のハンバーガーチェーン店「ラッキーピエロ」。
カツ丼やカレーなど奇抜で豊富なメニューに目移りしてしまいますが、とりあえず「ダントツ人気No.1セット」を注文すれば間違いありません。
看板メニューの「チャイニーズチキンバーガー」は甘辛いタレに絡まった大きなから揚げが3つも入っておりボリューム満点。フォークで食べる「ラキポテ」はフライドポテトの上にかかったチーズたっぷりのミートソースがクセになります。自家製「本物ウーロン茶」も相性抜群。
注文してから調理するため、できるまでは10分ほど。ジャンクフードというよりも、どこか家庭的な味わいです。北海道出身のミュージシャン「GLAY」など有名人のほか、皇族も訪れるほどの名店で、店舗によって異なる奇抜な内装にも注目。
ハセガワストア
函館エリアのローカルコンビニとして人気の「ハセガワストア」。地元では「ハセスト」の愛称で親しまれています。看板商品は「やきとり弁当」。店内にキッチンがあり、できたてほやほやを食べることができます。ネットでは24時間予約可能(店舗によります)で、ホテルでの夜食にもピッタリ。
食べやすいように容器に溝がついており、ふたをしたまま串を引き抜くことができます。海苔を敷いたご飯の上に秘伝のタレが絡まった絶品の豚バラ串がドーンと3本。ちなみに、道南では鶏肉でも豚肉でも、串に刺せば「やきとり」と呼びます。
1号店の「中道(なかみち)店」はコンビニとは思えない規模を誇り、住宅街に突如現れる明るい看板が目を引きます。「ベイエリア店」はラッキーピエロと並んでいるのでグルメツアーにピッタリ。
観光客向けのお土産コーナー、広々としたイートインなど、開いてて良かったと思えるみんなに優しいコンビニです。
2022年8月1日、毎年恒例の道新花火大会は雨天延期に。残念ですが、人が減ってゆっくり観光できると思えばプラスです。函館駅には人が多く、浴衣姿の女性も見受けられました。
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