福島第一原子力発電所1〜4号機が位置する大熊町(おおくままち)。2011年の福島第一原子力発電所事故で町内全域が警戒区域に指定され全町民が避難しました。
一部で避難指示区域が解除されており、2020年3月にはJR常磐線の運転も全面再開され、大野駅の運用も再開されています。
とはいえ、普通の生活をするには多くの問題を抱えています。例えば、大熊町で2019年に行われた町長選挙。原発事故まで1万人いた町民のうち、町で生活する人は、わずか1%の119人。避難先のまちで街宣車を走らせるわけにもいきませんが、地元で走らせると誰もいない。これが実情です。
大熊町を走る
福島県浜通りの大動脈である国道6号。帰還困難区域内(富岡町の一部、大熊町、双葉町)は、停車することが禁止されています。帰還困難区域内に目的地がある場合には個別協議での対応となります。
映像は双葉町・大熊町境から、大熊町・富岡町境付近まで。意外なほどに交通量が多く驚かされました。しかし、よく見るとほとんどが県外ナンバーであり、原発事故からの復興のために訪れていることがわかります。被害を受けていない建物が多く、景色は以前とさほど変わらないように感じました。しかしながら、ほぼすべての建物と道にバリケードがされており、一般車両が立ち入ることはできません。
「帰還困難区域」の標識と並び、時折見かける「動物注意(イノシシ)」の標識は元々あったものなのでしょうか。それとも人が住まなくなって設置されたものなのでしょうか。
被ばく線量も一定の間隔で表示されています。大熊町内で確認した数値は1.572μSv/h(1時間あたりのマイクロシーベルト)。1シーベルト(Sv)=1000ミリシーベルト(mSv)=100万マイクロシーベルト(μSv)。1mSvが1000μSv。つまり、μSvは非常に小さな単位であることがわかります。ちなみに、胸部X線検査が0.06mSv、胸部CTスキャンが2.4~12.9mSvとされています。
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