「ゴツン!」。
揺れる車内。やってしまいました。すれ違いができない国道309号。対向車がやってきて、クルマをバックさせる時に左後ろをガリガリと山肌にぶつけてしまいました。
運転していたのは友人。「これくらい大丈夫やろ」。ピカピカの新車にも関わらず全く動じない姿に感心。いや〜、この言葉に助けられました。微妙な雰囲気になってもおかしくないところ。
天川村(てんかわむら)を訪れる場合、まともな道は国道309号しかありません。しかし、その頼みの綱でさえも狭隘(きょうあい)で離合が難しく、神経が擦り減らされます。
それでも訪れたかった理由は「御手洗(みたらい)渓谷」があるから。
川底まで透き通ったエメラルドグリーンの清流、時が止まったような神秘的な淵。川沿いには遊歩道が整備され、吊り橋から滝を眺めることもできます。
天川村は紀伊山地の中でも「近畿の屋根」と呼ばれる大峰山脈(おおみねさんみゃく)の西側に位置し、古道「大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)」は世界遺産にも登録されています。辺り一体は昔、人が住みつかない場所だったそうです。
国道309号で天川村を抜けると、行き交う者が還ると書いて「行者還(ぎょうじゃがえり)トンネル」に行き着きます。行者還岳の登山口に位置し、文字通り難所として知られています。真っ暗闇のトンネルを抜けると上北山村(かみきたやまむら)です。
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