北海道の南部に浮かぶ唯一の離島市町村、奥尻町(おくしりちょう)。
江差町からハートランドフェリーで約2時間。基本的に1日往復1便しか出ておらず、本土から日帰りで訪れるにはゴールデンウィークと夏休みしかチャンスがありません(2022年現在)。
往復料金は6260円で、今回は「ぐるっと北海道キャンペーン」を利用して4250円で乗船することができました。感染対策で無料開放されていた指定席は新幹線の席のようでした。
11時11分。「何かどこかでアラームが鳴ってるなあ」と思ったら自分の社用スマホでビックリしました。まさか、洋上で電波がつながるとは。
島の特産品はウニ。まちのゆるキャラは「うにまる」で、街灯もウニの形をしていました。
感動したのが「叶寿司」さんの美味とおもてなしです。注文したのはもちろんウニ丼(時価)。「つぶ、めかぶはサービスね」と板前さんから渡された丼には色鮮やかな黄色いムラサキウニがギッシリ。甘くて濃厚な味わいで箸が止まりません。つぶはこれ以上ないコリコリ食感で歯応え抜群。極上の磯の香りが口いっぱいに広がります。
半分くらい食べ進めたところで、「ご飯足りる?」と言われ、豪快に手づかみでご飯を丼に足してくれました。その後も、「熱いお茶いるかい」と絶妙なタイミングで聞いてくれるなど気がきく板前さん。幸福に満たされていると、「食べな」と手を差し出されました。見ると、手の上にはアナゴの握りが。どこまでサービスしてくれるんや、この板前さんは。
このアナゴがまたビックリ。口の中に入れると、想像を超えるふわふわ食感に「うまっ」と思わずつぶやいてしまいました。すると、隣の夫婦客から「ですよね!?」とまさかの反応。絶品の感動を共感したかったようです。気付けば鳥肌が立っていました。
会計は破格の3300円。極上のおもてなしと海鮮を食べることができただけでもはや奥尻島に悔いはありません。
余談ですが、防波堤の工事の影響で絶品のサクラガイが窒息死し、今年は不漁だそう。また、ウニも今年は甘みや濃厚さが例年より劣るらしいです(それでも絶品でしたが)。板前さんは「(美味しいウニを食べるために)また来年も来なくちゃね」「可愛い女の子を島に連れてきてくれたらウニも勘違いして美味しくなるかも」とジョークを飛ばしていました。最後は「また来年」といって店を後にしました。
まちのシンボルは鍋のつるのような奇岩、「鍋釣岩」。港から歩いていける距離なのが嬉しいです。
奥尻町出身で元オリックスブルーウェーブの投手・佐藤義則さんの展示室があります。
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