尾花沢市(おばなざわし)は銀山温泉のまちです。名称は江戸時代初期に栄えた「延沢銀山」に由来します。尾花沢から歩いて1日かかるような僻地で、延沢銀山の衰退とともに人の姿も見られなくなりました。しかし、仙境の地を求めて観光客が訪れるようになります。大正末期から昭和初期にかけては、銀山川の両岸に洋風の木造旅館が軒を連ね、独特なまちなみを形成しました。現在でも大正浪漫の郷愁を感じさせます。特に、冬に雪に包まれる光景は幻想的です。
私のオススメは温泉街の1番奥にある「滝と蕎麦の宿 瀧見館」です。雪景色と白銀の滝を見ながら味わう温泉や蕎麦は格別。至高のひとときを過ごすことができます。私は山形名物の「板そば」をいただきました。本来はみんなで分け合って食べ、「縁が板につくように」、「細く長くそばに居られますように」と験担ぎをします。1950円と少々高めですが、量はざるそばの2.5倍でした。店内ではなぜかロバート・デ・ニーロの曲(帰って調べてみると、映画『ゴッドファーザー』の『愛のテーマ』という曲でした)がエンドレスで流れていました。笑ってしまうほど宿と雰囲気と合っていませんでした。
銀山温泉までのアクセスには大石田駅から運行している「はながさバス」の利用がオススメです。銀山温泉は冒頭で説明した通り尾花沢市街地から大変遠く、雪が積もっているため、バスの方が安全安心です。片道40分ほどで料金は片道720円です。しかし、運行中に衝撃が走りました。なんと、途中でガソリンスタンドに立ち寄り、おもむろに給油を始めたのです。運転手からは何の説明もありません。急な出来事で大変ビックリしました。山形県では普通なのでしょうか。車内は超満員でしたが、海外からの観光客(特に中国人の方々)が多く、この状況を理解できていない様子でした。
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