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執筆者の写真うらのりょうた

屋久島町〜屋久杉のまち〜

日本最高峰の山は富士山ですが、九州最高峰の山はどこでしょうか。


正解は屋久島町(やくしまちょう)の宮之浦岳です。


一気に標高1936㍍まで上がる急峻な山が小さな島にそびえ立つ特異な地形が島の象徴である「屋久杉」を生み出しました。

屋久島

花崗岩という岩の塊でできている屋久島は植物のための栄養分が少なく、貴重な栄養分も「1ヵ月に35日雨が降る」と比喩される雨で流されてしまいます。厳しい環境で成長が遅くなった結果、年輪が詰まり抗菌作用のある樹脂分が増えて腐りにくく長寿の屋久杉が生まれました。杉の樹齢は長くても500年程度といわれるなか、屋久杉は1000年を超え、代表的な存在である「縄文杉」は樹齢2000年とも7000年ともいわれています。


世界遺産に登録されたことから島内で出会う人の半数近くが海外、特に欧米の方でした。トレッキングツアーはとても人気がありますが、屋久島の環境は人間にとっても過酷。縄文杉へは往復約22㌔、所要時間は10以上にも及びます。


登山客のアプローチは海からゴールを目指し再び海を目指す「zero to zero」、海からゴールを目指し帰りは途中でバスなどの公共交通機関を利用する「sea to summit」などさまざま。


帰りのフェリーで出会った方は場所によっては首元まで水に浸かる沢もあり、ロープに金具をつけて渡るのに1時間もかかったと話していました。また、屋久島では遭難者も珍しくないと島の方がおっしゃっていました。


また、屋久島での経験ではないですが、宿で出会った方はお尻を拭く際に間違ってウルシの葉っぱを使ってしまい、真っ赤に腫れたそうです(しかし、毛のあるとこだけ守られた!格言は"石を使え"!)。また、一歩進んだ瞬間に足跡が消えるホワイトアウトにも遭遇したそう。


登山経験の少ない私が目指したのは「白谷雲水峡」。1日かけて登る必要がある「縄文杉」よりも容易に屋久杉を鑑賞できます。1番奥の太鼓岩まで行っても往復で4時間ほど。林内はこけで覆われており『もののけ姫』のイメージにもなった幽玄な雰囲気。

白谷雲水峡

縄文杉はなくとも「弥生杉」があり、登山口から15分ほどで鑑賞できます。縄文杉よりは推定樹齢が若いですが、それでも樹齢3000年。余裕で紀元前です。

弥生杉

ところが、港でバスを逃した私は徒歩で登山することに。登山口までは13㌔で、徒歩で3時間ほど。いけない距離ではありません(不便な場所を歩きすぎて感覚が狂ってきている)。しかし、2時間ほど歩いたところで雨が降り出しました。屋久島の天気は変わりやすい。雨具は用意していましたが、身の危険を感じ、1658/1718市町村目にして"人生初"のヒッチハイクを決断しました。しかし、勇気が出ず30分で5台ほどスルー。勇気を振り絞って手を挙げて、乗せてくださった方がなんと広島などでプレーしたプロ野球選手の下水流さんの親御さんでした。仕事で関わりがあったこと、住んでいた場所が近かったこともあり話が弾みます。親御さんも他人を乗せたのは初めてだそうですが、「優しそうな顔だったので乗せた」とのことでした。本当に無理なお願いを受けてくださりありがとうございました。

天気が急変

登山口まで送っていただき、路線バスで麓まで下山することに。しかし、雨足は弱まり、受付のおじさんに確認すると「気をつけてトレッキングに行ってきてくださいね」とのこと。私の前後にも観光客が出入りしており、私の心配は杞憂に終わります。林の中に入ると、うっそうと生い茂る木々が屋根の代わりになってくれて、ほとんど濡れずに済みました。


トレッキングを終え、帰りの路線バスに乗っていると、「あ、猿だ」とアナウンス。びっくりしていると、バスが停車してさらにびっくり。「ほら、右、右、右」。乗客たちが右側を向き、猿を見つけると拍手喝采。「小さいなあ。たぶん小猿だな。近くに親猿もいると思うんだけどなあ」「あ、いたいた」。そういうと再びバスは動き出し、親猿の前で停車。まるで観光バスです。なんてうれしいサービスなんでしょう。急いでる人からしたらたまったもんじゃないでしょうが。

ヤクザル

屋久島までは飛行機かフェリー、高速船で向かいます。


あくまで目安ですが、風速10㍍か波の高さ3㍍で高速船、風速15㍍か波の高さ5㍍でフェリーは欠航します。波が1.5㍍を超えると体感でもかなり揺れる印象。


私は「フェリー屋久島2」を利用しました。フェリー乗り場は三島村に行く際に乗船したフェリーみしま、十島村に行く際に乗船したフェリーとしまの乗り場の奥。種子島行きのプリンセスわかさのチケットは並ばず買えますが、屋久島行きのフェリー屋久島2には長蛇の列ができていたので出港の30分前には行った方が良さそうです。乗船申込書を記入してからお並びください。


なんと、船内にはウミガメが。うどん屋や小さな図書館もあります。2等乗船券は雑魚寝。毛布は100円でレンタルでき、コンセントはラウンジにあります。デッキの床が木造なのが旅情的。

ウミガメ

乗船時間は約4時間で、錦江湾(鹿児島湾)を出るまでに約2時間かかります。フェリーからは開聞岳はもちろん、長崎鼻、スヌーピー山、佐多岬などが見えるので、ここだけは船内でゴロゴロせずに甲板に出て是非景色をお楽しみください。


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