奈良県北東部ののどかな村、山添村(やまぞえむら)。
村内には大阪と名古屋を結ぶ大動脈「名阪国道」が通ります。西名阪自動車道と東名阪自動車道を結び、山添村はその中間あたりに位置するのですが、実は関西のドライバーの間では知られた"伝説"の道路です。
国道という名がつきますが、自動車専用道路であり、高速道路のナンバリングも割り当てられています。
最大の特徴は「全線無料」であること。同じく無料であるドイツの高速道路を引き合いに「日本のアウトバーン」とも称されています。大きな都市を結ぶことから交通量が多く、スピードを出すドライバーも多いです。
しかしながら、現代の高速道路では考えられないような設計に初見のドライバーを困惑。激しいアップダウン、急カーブの連続、道幅も狭く、事故発生件数は全国ワーストを記録しています。
名阪国道の象徴が「Ωカーブ」。"書いて字の如く"Ωのような形をしたカーブで多くのドライバーを苦しめています。ほかの高速道路では類を見ないR=150、6%という急カーブ、急勾配の最難関スポット。
現在は廃止されたものの、「高峰SA上り」もドライバーの間で語り継がれる日本一危険なサービスエリアです。出入口が直角で、加速レーンが実質ゼロという耳を疑うような設計。街中にあるコンビニやスーパーを思い浮かべていただければその恐ろしさが伝わると思います。停止している状態からフル加速でビュンビュンと過ぎ去るクルマの勢いに合流するのは至難の業。
しかしながら、名阪国道を走るときはなぜかワクワクしてしまうのです。
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