今回は帰宅困難区域の道路事情についてお話しします。福島県の魅力を知っていただき、いざ「行きたい!」と思っても道に迷ってしまうかもしれないからです。
区域内への立ち入りは厳しく制限されています。しかしながら、特別通過交通制度や特定復興再生拠点区域を正しく理解していれば心配ありません。
特別通過交通制度は国道6号や常磐道に適用されており、復興を支える主要道路を通行できる制度。基本的に自転車や徒歩では立ち入りできません。
特定復興再生拠点区域は帰還困難区域内に設けられた居住区域のことで、まちの復興拠点として期待されています。大野駅(大熊町)や双葉駅(双葉町)周辺が指定されており、こちらは電車や自動車を降りて散策することも可能です。
常磐道
東日本の太平洋沿岸を支える大動脈。仙台方面や東京方面から訪れるなら最も優れたアクセス方法だと思います。
2011年の東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故で一時は全線通行止となりましたが、2015年に常磐富岡IC(富岡町)~浪江IC(浪江町)間の14㌔が開通し、全線開通を果たしました。
間にある大熊IC(大熊町)、常磐双葉IC(双葉町)も利用可能で、一般道を経由して特定復興再生拠点区域に立ち寄ることができます。常磐道は二輪車も通行可能ですが、大熊ICは利用不可です。
常磐道の役割は以下の通り
①復興への支援
②緊急時における避難路の確保
③除染・中間貯蔵施設事業の加速
④福島第一原発事故に伴う廃炉作業の進展
⑤消防・救急等に係る緊急車両による広域活動迅速性の確保
(NEXCO東日本より)
国道6号
常磐道と並び、東日本の太平洋沿岸を支える大動脈。2011年の東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故で一時は通行止めとなりましたが、2014年からは許可証がなくても自動車に限って通行可能になりました。
分岐路や建物への立ち入りはできず、防犯対策として道路沿いにはバリケードが設けられています。また、無用な被曝を避けるため、バイクや自転車、徒歩などの規制は継続されています。
一般道
地域に根ざした県道や町道も福島県の復興に欠かせないインフラとして順次通行可能となっています。国道6号や常磐道、各駅が結ばれてアクセスしやすくなりました。
ただし、帰宅困難区域内では故障などを除いて駐停車をしてはいけません。窓を開けてはいけませんし、もちろん外に出てもいけません。エアコンを使用する場合は室内循環です。バイクや自転車、徒歩での通行はできません。
訪れることができるエリアは基本的に帰宅困難区域の外や、特定復興再生拠点区域内のみとなります。下は夜ノ森駅前通りの映像です。
まとめ
常磐道、国道6号、それにJR常磐線を加えた3本柱を軸に、付随する県道や町道が順次開通。特定復興再生拠点区域を中心に復興が進んでいるという現状です。
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