【今回のテーマ:渋滞】
国土交通省が毎年発表する渋滞のランキング。国道、高速道路、そして都市計画法に規定される東京・大阪・名古屋・福岡・広島・北九州の都市高速の3部門に分かれます。都市高速部門で渋滞日本一の座に何度も輝いているのが阪神高速3号神戸線なのです。その理由を高速道路会社で働く方にお聞きしました。
1番の原因は交通集中
阪神高速5号湾岸線の名谷ICー垂水JCT付近に高速道路が密集しているために交通集中が多発しています。神戸と大阪を結ぶ阪神高速3号神戸線、神戸と明石を結ぶ第二神明道路、神戸と徳島を結ぶ神戸淡路鳴門道、さらに、北からは阪神高速7号北神戸線や山陽道からもクルマが流入してきます。
大阪方面の天敵はサグ
サグについては『旅行の天敵「渋滞の先頭」ってどうなってるの?専門家に原因と解決策を聞いてみた』でも紹介しました。下り坂から上り坂に変わる場所で自然と減速してしまう場所です。大阪方面の深江IC付近にはサグがあり、渋滞を引き起こしています。現在は対策として、青く点滅する速度回復誘導灯を設置し、渋滞が減少するか実験中とのことです。
阪神地域ならではの難点も
首都高と阪神高速は都市間高速道路と呼ばれるそうです。ビルの合間を縫って張り巡らせた道路網。そこには、山間部では見られない技術が結集しています。特に、阪神地域は山と海に挟まれており土地が限られています。幹線道路と呼べるのは阪神高速と国道2号、国道43号くらいで、簡単に道路や車線を増やすことはできないのです。神戸中心地への玄関口ともいえる生田川ICも下道までの距離が短すぎるため、日常的に本線まで渋滞が伸びています。
ミッシングリンクの整備が急務
業界用語で、日本語でいうと失われた接続。道路網を整備する予定があるにもかかわらず、まだ整備が未完成で接続されていない箇所を指します。阪神高速でいうと、3号線と平行する5号湾岸線。5号湾岸線の整備により3号線の渋滞も緩和されると考えられます。第1段階として六甲アイランド北から湊川まで延伸して31号神戸山手線とつなぎ、最終的には名谷を経て垂水まで接続させる予定です。すでに名谷と垂水の間は部分開通しています。首都高や阪神高速は環状線から支線が生えている形状です。そのため、多くのクルマが環状線を通る必要があり、上り車線が必然的に混みやすくなってしまいます。分散させるためにも5号湾岸線の接続は急務といえます。ミッシングリンクの対応策として、阪神高速では一般道を経由した乗継制度を実施しています。摩耶ICでは乗継が原因で渋滞が発生してしまっているのが現状です。阪神地域の夢を乗せて。5号湾岸線の開通が楽しみです。
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