井上ひさしの小説『吉里吉里人』に登場する「吉里吉里村」は、岩手県一関市付近のJR東北本線沿線という設定です。また、「吉里吉里」という地名は実際に岩手県大槌町にあるなど、岩手県が舞台の作品です。そこで、岩手県に想いを馳せながら上中下巻に分かれる超大作を読んでみました。
ある日の早朝、岩手県の吉里吉里国は突如日本からの分離独立を宣言。陸と空から不法侵入者を監視、言語は吉里吉里語(ズーズー弁)を話します。独立を認めない日本政府は自衛隊を出動させ、国民はテレビに釘付けとなります。対抗策として金そのものを貨幣として流通させる「金本位制」や免税措置である「タックス・ヘイヴン」を導入。通貨イエンは日本円に対して「イエン高」になり世界中の大企業が進出してきて。。。
終始読みづらく頭に入ってこないズーズー弁で描かれています。現代社会の問題を指摘するシーンもありますが、基本はドタバタ劇のオンパレード。渾身のオヤジギャグ?も今となっては手垢のついたものばかりでした。上中下巻すべて読むのは正直キツいです。
【参考文献】
井上ひさし『吉里吉里人』新潮社、1981
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