東北の城には東北以南の城と比べてある特徴があります。それは、
①石垣ではなく土で築いた土塁が多い
②天守を持つ城が少ない
実は、東北で石垣をもつお城は、弘前城、盛岡城、仙台城、山形城、会津若松城、白河小峰城の6城しかありません。石垣をもつといっても、仙台城や山形城は城の一部分のみ。6城のほかにも東北には秋田県の久保田城など有名な城がありますが、それらは土塁で築かれたものです。
そのため、美しい石垣を有する3城はとりわけ「東北3名城」と称されることがあり、今回は、東北3名城をご紹介します。
盛岡城(岩手県盛岡市)
盛岡城は南部氏の居城として知られています。白い花崗岩で組まれた美しい石垣は圧巻。宮沢賢治や石川啄木のゆかりの地であり、市民に愛されています。
別名は「不来方城(こずかたじょう)」。その昔、盛岡には人々を困らせる鬼がいたことから「鬼が二度と来ないように」という思いを込めて不来方と呼ばれていました。現在でも不来方高校や不来方橋のように盛岡の風雅な呼び方(=雅称)として親しまれています。
会津若松城(福島県会津若松市)
会津藩・鶴ヶ城(会津若松城)の城下町として栄えた会津若松市(あいづわかまつし)。戊辰戦争では新政府軍と対峙した白虎隊が結成されるなど、独自の歴史を歩んでいます。
写真ではわかりにくいですが、日本で唯一「赤瓦」の天守を持ちます。表面に釉(うわぐすり)を施しており、厳冬に強いことはもちろん、見た目の美しさもあります。
白河小峰城(福島県白河市)
東北の南端に位置し、「白河の関」で知られる白河市(しらかわし)。白河小峰城もその位置関係から「奥州関門の名城」と謳われました。いわば東北の玄関口。小峰という名称は小峰ヶ岡と呼ばれる丘陵に城を構えたことに由来します。
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