19世紀までは日本各地に生息していたニホンオオカミ。しかし、時代の移り変わりとともに激減し、1905年に奈良県東吉野村(ひがしよしのむら)で目撃されたのを最後に姿を見せることはありませんでした。驚くことに、最後のニホンオオカミは現在イギリスの大英美術館で標本となっています。なぜイギリスなのでしょうか。
1905年、イギリスの貴族の命により日本を訪れたアメリカの動物学者、マルコム・アンダーソン。ある日、滞在していた宿に猟師が持ち帰った若いオスのニホンオオカミらしき動物が目に留まります。確証が持てず一度は交渉が決裂しますが、金に目がくらんだのか後日猟師自ら交渉に訪れ、8円50銭という値段でアンダーソンの手に。その後、日本でニホンオオカミが目撃されることはありませんでした。
こうして日本最後のニホンオオカミは東吉野村から海をわたってしまいましたが、権威ある大英美術館で世界中の人々を魅了しています。
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