親潮と黒潮がぶつかり世界三大漁場の一つである三陸海岸最南端に位置する石巻市（いしのまきし）は日本有数の水揚げ量を誇り、宮城県で最大規模の港町です。
特に、牡鹿（おしか）半島沖に浮かぶ金華山に由来する「金華さば」は脂の乗りが良く人気。三陸の海の幸は「いしのまき元気市場」や「元気食堂」で堪能することができます。
石巻市は登米市出身で漫画家の石ノ森章太郎が少年時代に映画館に通ったゆかりの地。まちなかには代表作である『サイボーグ009』や『仮面ライダー』などの世界観が広がっています。
旧北上川の中洲に立つ漫画のまちのシンボル「石ノ森萬画館」。東日本大震災で甚大な被害を受けたものの、過去に起きた天災の教訓から１階の天井を８㍍と高く設計し、原画などは上層階に展示していたことから、津波の被害は免れました。夜には赤色に煌々と光ります。
石巻市役所は商業施設と同居する珍しい形態をとっています。JR石巻駅前の好立地で、元々はさくら百貨店の建物でしたが、2007年にオープンしたイオンモール石巻などに客足を奪われ2008年に閉店。その後、１階にスーパー、空きテナントとなっていた２階以上に石巻市役所が入居したのです。老朽化した庁舎の建て直しが不要となり、市の財政にも優しい選択でした。
しかし、スーパーは東日本大震災や中心部の空洞化の影響で2017年に閉店。そこで、救いの手を差し伸べたのがイオンでした。2020年に「イオン石巻駅前店」を出店し、再び中心部に活気が戻りました。郊外を制し、中心部も制す。これが流通王の「勝利の方程式」です。
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