北海道に点在する峠。国と国を分かつ峠は大変険しく、頻繁に濃霧に覆われる危険な峠も存在します。一方で、「越えると本当の北海道がある」と言われる風光明媚な峠も。今回は私が訪れた北海道の主要な峠とその魅力をご紹介します。
三国峠
上士幌町と上川町の境にある国道273号の「三国峠」は北海道の国道の中で最も高い地点にあります(1139㍍)。真っ赤な松見大橋と樹海のコントラストは圧巻。体ごと飲み込まれそうなダイナミックさに足がすくみました。オススメの撮影ポイントは三国峠に整備された展望台か、松見大橋の1本先の緑深橋。
美幌峠
オホーツク総合振興局と釧路総合振興局の境界に位置し、美幌町と弟子屈町を結ぶ国道243号「美幌峠」。
展望台からは火山活動でできた日本最大のカルデラ湖である「屈斜路湖(くっしゃろこ)」を一望でき、日本最大の湖中島である中島が浮かぶ景色が印象的。道東で1番オススメしたい景色の1つです。
展望台には「道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠」が隣接しています。皮をむいたジャガイモを衣で揚げた「あげいも」が名物。アメリカンドッグのようなビジュアルで、サクサクホクホク、味も食べ応えも抜群です。
塩狩峠
名寄盆地の南端に位置し旧天塩国である和寒町と上川盆地の北端に位置し旧石狩国である比布町を結びます。
作家・三浦綾子さんの小説「塩狩峠」の舞台にもなっており、旧宅を復元した「塩狩峠記念館」があります。
狩勝峠
南富良野町と新得町を結び「越えると本当の北海道がある」と言われるほど風光明媚な「狩勝峠」。石狩地方と十勝地方の境界に位置し、牧歌的な光景が広がる十勝地方への玄関口となっており、JR根室本線、国道38号、道東自動車道が通ります。新日本八景に選ばれ、鉄道からの光景は日本3大車窓にも選ばれています。
国道38号は日高山脈越えで最初に誕生した主要ルート。現在は南側の国道274号(日勝峠)が最短ルートとなっていますが、カーブや濃霧が多く走行環境は狩勝峠よりもさらに厳しいです。狩勝峠は新得町に入った直後こそカーブやトンネルが続いたものの、全体的にカーブが緩やかで、濃霧も頂上付近のみでした。
また、十勝地方のみの開通で利用者が低迷した道東自動車道は、2011年に夕張ICー占冠IC間が開通したことで交通量が劇的に改善。主要都市である札幌や千歳、帯広間の移動が便利になりました。
日勝峠
日高町と清水町を結び、北に位置する狩勝峠と同じく石狩地方と十勝地方の境界に位置する日勝峠。以前は日勝峠を越える国道274号が石狩地方と十勝地方を結ぶ最短ルートでした。しかし、狩勝峠を越える国道38号よりもさらに厳しい走行環境で、カーブや濃霧が多いことから事故が多発。道東自動車道の開通によって走行環境は劇的に改善され、石狩地方と十勝地方はグッと近くなりました。
野塚峠
国道236号「野塚峠」は広尾町と浦河町を襟裳岬を経由せずに結ぶ最短ルートです。狩勝峠、日勝峠と同じく日高山脈を越えるため大変険しいです。
「野塚トンネル」は1979年に建設が始まり、開通は1990年。全長4232マートルで、「えりも黄金トンネル(全長4941㍍)」が2011年に開通するまで北海道で1番長いトンネルでした。
中山峠
札幌市と喜茂別町を結ぶ「中山峠」。道央と道南を結ぶ大動脈である国道230号が通ります。「道の駅望羊中山」があり、蝦夷富士と称される名峰・羊蹄山を一望できます。
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