世界有数の大火山、阿蘇山(阿蘇五岳)。過去に起きた噴火の威力は凄まじく、火砕流が九州を飲み込み、火山灰は北海道まで到達したそうです。それでも、阿蘇の人々は火山とともに暮らしを営むことを選びました。
火山活動によって阿蘇山と阿蘇外輪山との間に生まれた凹地「阿蘇カルデラ」は東西18㌔、南北25㌔にも及び、世界トップクラスの規模。カルデラ内には鉄道や国道が通るなどインフラ整備も行き届き、約5万人が生活しています。このように、人と火山が共生する都市は世界に類を見ません。
阿蘇に広がる特徴的な草原は、野焼きによって平安時代から1000年以上にわたって守られてきた光景です。草は牛馬の飼料、農業の緑肥、茅葺き屋根などに用いられ、阿蘇の人々の生活と切っても切れない存在。人の手が入らなければ、草原はたちまち雑木林になってしまいます。
阿蘇の名物グルメは、雄大な草原で育った希少な和牛「あか牛」を贅沢に使用した「あか牛丼」。分厚くスライスされたミディアムレアのあか牛が白米の上で赤く美しく光り輝きます。一口ほおばれば、和牛本来の旨味が口いっぱいに広がります。
ー阿蘇地域7市町村の見どころ紹介ー
阿蘇の雄!阿蘇市
阿蘇地域の中心地。市内には、火山活動によって生まれた絶景スポットが点在します。特に「大観峰(だいかんぼう)」の展望台、「ミルクロード」でのドライブ、若緑の草原が広がる「米塚」はオススメです。
阿蘇の神秘!小国町
「鍋ヶ滝」は全国でも屈指の神秘的な滝です。落差10㍍ほどで、それほど高さはありませんが、幅が約20㍍あり、純白のカーテンから木漏れ日が差し込む光景にうっとりさせられます。「裏見の滝」として知られており、滝の裏側から鑑賞することができます。
均整のとれた優美な滝ではありますが、阿蘇山の火山活動でできた滝であり、自然のダイナミズムも感じさせられます。
絶景温泉!南小国町
阿蘇外輪山に佇む「黒川温泉」は30軒あまりの温泉旅館が立ち並ぶ「露天風呂を集めた温泉街」。まち全体を1つの旅館と考え、里山を生かしたおもてなしを提案しています。「入湯手形」を導入し、温泉を巡るシステムが人気を博し、九州屈指の温泉街となっています。
絶景ドライブ!産山村
阿蘇を開いた健磐龍命(たていわたつのみこと)の御嫡孫(ごちゃくそん)が産まれたことに由来する産山村。熊本の奥の奥、九州の屋根といわれる大分県の九重連山地域と熊本県の阿蘇地域の間に位置し、村域は阿蘇くじゅう国立公園に含まれています。村内には「やまなみハイウェイ」が通り、息を飲むような雄大な景色の中でドライブを楽しむことができます。
田楽の里!高森町
田楽が郷土料理である高森町。高森町の中心地から少し離れた「高森田楽の里」さんでは囲炉裏を囲んで絶品の田楽を楽しむことができます。木のぬくもりを感じる店内です。休日には行列ができることもある人気店です。
水が自慢!南阿蘇村
九州屈指の絶景が広がる阿蘇地域ですが、南阿蘇村の自慢は「水」です。まちのあちこちで水が湧き出ており、特に「白川水源」は名水百選にも選ばれている有名な湧水です。無料の駐車場にクルマを停め、小川に沿って参道を歩きます。夏でも涼しく、マイナスイオンを感じます。入り口で環境保全協力金として 100円を支払い湧水の中へ。透き通った水の美しさに見惚れてしまいます。しかも、とても美味しく、ゴクゴクと飲めてしまいます。100円で1㍑、200円で2㍑のペットボトルを購入することができ、私も迷わず持ち帰りさせていただきました。
空の玄関口!西原村
阿蘇くまもと空港の東側に位置する西原村(にしはらむら)。空港を出て東側にクルマを走らせると、あっという間に絶景が広がるパノラマ空間に。阿蘇地域特有の若緑の草原が元気を与えてくれます。直進しても、左に曲がっても、右に曲がっても美しい景色が止むことはありません。
特に、俵山からの景色は圧巻です。中腹にある九州最大級の風力発電施設「阿蘇にしはらウインドファーム」は美しい西原村の風景にアクセントを加えるランドマーク的存在。風と大地を感じるオススメの観光スポットです。
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