袋井市(ふくろいし)はたまごふわふわのまちです。江戸から数えても京都から数えても27番目である袋井宿の宿場町として栄えました。
しかし、袋井宿が完成したのは東海道が開通してから7年後。すでに周りの宿場町が固定客を獲得していました。どうしたら宿泊者が増えるか悩んだ結果、「飯で勝負だ!」という結論に至ります。すっぽんや鰻などの特産品も生かしながら料理でもてなすことにしました。その中で生まれたのがたまごふわふわ。参勤交代で江戸に献上しても大変評判で、茶碗蒸しのルーツになったともいわれています。このような経緯から、昔からお客様用の料理で、地元の人はあまり食べないそうです。
しかし、今では子どもたちに料理してもらい、お祭りで出店活動をするなど、伝統を受け継ごうと取り組んでいます。地元の人によると、かつては多くの駄菓子屋やラーメン屋、酔った人々で賑わったまちも、「なーんもないもん。ぜーんぶなくなった」と嘆いていました。たまごふわふわはいつの時代もまちおこしを担っています。泡立てたタマゴを蒸して、ダシで食べるたまごふわふわ。機械でつくると白い泡みたいになり、ふわふわにならないそうです。食べてみると本当にふわふわで、旨味たっぷりのダシがしみわたります。「昔ながらを守ってるのはうちだけ」と今回たまごふわふわについての話を聞かせていただいた店主は話していました。
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