最大の見どころ:鈴鹿サーキット【最後に訪れた日20140824】
鈴鹿市(すずかし)は鈴鹿サーキットのまちです。伊勢国の国府が置かれたまちで古くから栄えました。戦時中に工業都市として発展します。特に、戦後は本田技研工業と関連企業が進出し、経済発展に大きく貢献しました。そのため、市では「本田市」への改名も検討したそうですが、本田技研工業の創業者である本田宗一郎が歴史ある地名を変えるべきではないと丁重にお断りしたそうです。功績を讃えられ、本田宗一郎は名誉市民になっています。本田技研工業は工場だけでなく、遊園地を備えF1グランプリでも使用される国際サーキットである鈴鹿サーキットを建設し、日本におけるモータースポーツの聖地を生み出しました。
ここからはF1観戦ガイド(2012年に行った際の実体験です)をご紹介します。
【①公共交通機関を利用すべし】
F1グランプリは オリンピックとサッカーW杯と並べられる世界3大スポーツの祭典です。日本グランプリもまさにモータースポーツの祭典であり、 2006年には過去最高となる36万1,000人の入場者数を記録しました。阪神甲子園球場での阪神戦の平均観客数が4万人ほどなので、いかに多くの観客や関係者が訪れるかがわかります。ちなみに鈴鹿市の人口が20万人ほどです。駐車場はどこも満車、電車も満員、道は大渋滞になるので時間には余裕を持って、なるべく公共交通機関を利用することをおすすめします。
【②宿をおさえるべし】
交通機関同様に、宿の予約もすぐにいっぱいになってしまいます。F1グランプリは金曜日にフリー走行、土曜日に予選、日曜日に決勝を行うので、すべて観戦する場合は宿泊が必須になります。予約が遅れるとどうなるかと言えば・・・私の場合はネットで探し回ってなんとか見つけたコインランドリー「しゃぼん」の上の民家に泊まることになりました。もちろんご飯はつきません。お風呂とトイレは母屋のものを使用させていただきました。これも良い思い出です。お世話になりました。
【③露店を楽しむべし】
とても大規模なイベントなので、露店も数えきれないほど出店します。私のおすすめはダントツで魚長の穴子めそっこ天丼です。何でも、「世界一旨い天丼プロジェクト」というものを展開しているそうで、情熱は人一倍です。その情熱的な看板に半信半疑ながら心惹かれたのでここで昼食をとることにしました。割烹着を来た情熱を内に秘めていそうなお兄さんが接客してくれます。お値段も情熱価格のワンコイン500円。その直後、驚かされたのは「バスの中で食べて下さいね」という一言。なんと、クーラーがしっかり効いたマイクロバスの車内を食堂として開放しているのです。多くの露店で、炎天下での立ち食いを余儀なくされるなかなんと親切なのでしょうか。そしてその後もっと驚いたのはその味。「なんじゃこりゃ!?こんなうまい天丼食ったことないぞ!!」。あまりの美味しさに笑顔と箸が止まりません。もう感動体験です。ころもが軽い軽い。ペロッと食べ終わり、一緒にいた友人は夜食用にもう一杯買っていました。たった500円で至れり尽くせりでした。みなさんもおすすめの店を見つけてみてください。
【④前夜祭を楽しむべし】
決勝の前日には前夜祭が開催されます。これがまた面白いのです。多くのゲストが面白おかしくF1を紹介してくれます。気持ちが高まったところで決勝への準備は完了です。
【⑤ショッピングを楽しむべし】
鈴鹿サーキットの近くのショッピングモールのレジは日本グランプリ開催中に突如「F1チーム専用レーン」が登場します。これも風物詩です。この日もF1チームの関係者が大量の飲食料を調達していました。私も夜はこのショッピングモール内で食事することにします。
【⑥思いっきり応援すべし】
ひいきのチームを思いっきり応援しましょう!これこそが醍醐味です。最高の時間です。この年の決勝は午後3時にスタート。3位スタートの小林可夢偉がいきなり2位で目の前に姿を現し、1周目から大興奮です。可夢偉は能力が高いとは言えないザウバーのマシンで必死に粘ります。終盤は4位で猛追するマクラーレンのバトンと3位可夢偉の熾烈な表彰台争いに発展。逃げ切った可夢偉は日本人3人目の表彰台に立つことになりました。母国・鈴鹿では鈴木亜久里以来22年ぶり2人目でまさに歴史的瞬間に立ち会うことになりました。可夢偉にとってもちろん初めての表彰台、それが母国ということで喜びを爆発させました。日本人唯一のF1ドライバーとしての意地と誇りを見せつけてくれました。結局、これがキャリアで唯一の表彰台となりました。
【⑦コースウォークに参加すべし】
決勝レースの後にはコースウォークが開催されます。興奮が冷めやらぬ中、F1マシンが駆け抜けたホカホカのサーキットを歩くができる至福のひとときです。その日のレースを振り返りながら練り歩きます。ファンが必ず行うのはタイヤカス集めです。サーキットに落ちているタイヤのカスを記念に持ち帰るのです。甲子園で高校球児が砂を持ち帰ることと同じようなものと考えて下さい。そして、芝生でくつろいだり、寝転んだりもできるので自分の好きなロケーションで思う存分記念撮影をして帰ってください(周りの方の邪魔にならないように気を付けてくださいね)。
Comments