200年以上にわたって鎖国政策がとられた江戸時代、日本初の人工島である長崎市の出島は唯一西洋に開かれた港として栄え、日本の国際的孤立を防いできました。
市内には日本最古のキリスト教建造物「大浦天主堂」や英国の商人の邸宅「グラバー園」など異国情緒漂う観光スポットが点在します。
「新地中華街」は神奈川県横浜市、兵庫県神戸市と並ぶ日本3大中華街の1つ。
長崎名物のちゃんぽん発祥の店は「四海樓(しかいろう)」さん。濃厚かつクリーミーで絶品です。本店は立派なビルで、大きなガラス窓から長崎市内を眺めながら食事ができます。気品漂う雰囲気の良いお店です。
ご当地グルメの「トルコライス」はトンカツ、ピラフ、スパゲティなどが1つの皿に乗った夢のような食べ物です。いわば「大人版お子様ランチ」。お腹いっぱい、幸せに満たされます。ツル茶んさんはクラシカルな店内でオススメ。ミルクセーキも人気です。
長崎名物といえばカステラ、カステラといえば「福砂屋」さん。1624年創業の老舗でザラメと卵が詰まった黄色い生地が絶品。
長崎市は1571年のポルトガル貿易船の入港をもって開港と定義し、2021年には開港450周年のイベントが市内各地で催されました。
特徴的なすり鉢状の地形は「坂のまち」と称され風情・旅情に溢れています。
稲佐山からの夜景は世界3大夜景にも選ばれており、「鶴の港」の異名を持つ長崎港を囲むようにすり鉢状の地形に建てられた住宅の光がまちを照らす光景は情緒的で感動的。展望台にはロープウェイや稲佐山登山道路でアクセスでき、屋内展望施設が整備されていることも嬉しいです。
2005年には長崎港に「女神大橋(ヴィーナスウィング)」が架けられました。
長崎港には三菱重工業長崎造船所などが立ち並び、三菱の企業城下町となっています。
市の中心地には路面電車の「長崎電気軌道」が走ります。前払い140円。後ろ乗り前降りで、路線バスと同じく「とまりますボタン」で停車します。
「眼鏡橋」は1634年に架けられた日本最古の石造アーチ橋です。2連構造が水面に映り、まるで眼鏡のように見えることからその名がつけられました。全長22㍍。
「思案橋」は古くから長崎一の繁華街として栄えました。「浜町アーケード」は長崎市を代表する商店街、「浜屋」は長崎市を代表する百貨店。
また、1945年には広島市とともに原爆の被害を受けており、被爆都市として世界平和の大切さを発信し続けています。
華やかな歴史を背景に、戦前までは九州一の大都市として栄えていましたが、現在は全国の県庁所在地で最も深刻な人口減少問題を抱えており、2022年時点で九州7県の県庁所在地別人口では佐賀県佐賀市に次ぐワースト2位まで転落しています。
原因の1つとして考えられることが「坂のまち」であること。土地が少なく急峻な地形では建設費も高騰することから家賃が福岡市よりも高く名古屋市と同水準となっています。近年は長崎港を中心に再開発が進み、西九州新幹線の開業や地元のジャパネットたかたが800億円を投じる「長崎スタジアムシティプロジェクト」によって活気を取り戻しつつあります。
五島灘に浮かぶ端島(通称軍艦島)は炭鉱として栄えた島。最盛期には5000人以上が住み、東京の9倍以上、世界一の人口密度を誇りました。島内には小中学校や病院、寺院、映画館、パチンコなども。日本初の鉄筋コンクリート造の高層集合住宅も建造され、驚くことに防潮の役割も果たしていました。
劣悪な労働環境で、高賃金を引きかえに多くの方が命を落としています。坑道につながるエレベーターへと続く階段は「命の階段」と呼ばれていたそうです。
【参考文献】
朝日新聞「家賃が名古屋並み…若者大量流出の「坂の街」解消なるか」、2021、〈https://www.asahi.com/sp/articles/ASP3W35HFP34TOLB002.html〉、(2022年12月閲覧)
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